【読書】吉川英治「大谷吉継」読了。これが自分の、初「吉川英治」

2020年11月19日

吉川英治。
時代小説の大家。
だが、今の今まで読む機会を逸し読まずにきた。

「大谷吉継」は戦国時代の武将。
大河ドラマ「真田丸」では、片岡愛之助が演じていた。
石田三成の親友。
関ヶ原の戦いでは、西軍につき討ち死に。
「真田丸」での印象も深く、石田三成との友情もあって西軍についた「大谷吉継」に愛着もあったので、吉川英治の1冊目には、これを選んだ。
1冊、という分量ではない。
青空文庫で64ページの短編である。

徳川を討つ決意をした石田三成との会話。
石田三成に勝機はないと見ている。
説得を試みるが、石田三成が意を翻す男ではないことはよく知っている。
その夜臥所の中で、かつて太閤殿下の茶会で、自分の鼻汁入りの茶を飲み干してくれた事を思い出す。
後半は、関ヶ原の戦いでの大谷吉継の最後。
病のため、余命幾ばくもない自分に、戦場で散る機会を与えてくれた三成に感謝しつつ、大谷吉継は死ぬ。

吉川英治の文体は、流し読みかできない。
一文字一文字が珠玉で、噛みしめるように読んでしまった。
もちろん頭に浮かぶの、大谷吉継=片岡愛之助、石田三成=山本耕史の配役。

「真田丸」のスピンオフで、三谷幸喜脚本でドラマ化してくれんかね。

Posted by ちえ