【浦和・ランチ】営業再開？「元祖ごますりとんかつ ブー太」
うまい店は暖簾でわかる
うまい店、というのは暖簾でわかるものである。
この店もそうだ。
建物のたたずまい、暖簾の着色具合。
なんだか「いい！」という雰囲気がひしひしと伝わってくる。
屋号は「ブー太」。とんかつ専門。建物の上の方に配された立て看板の文字の色落ち具合もいい。
ずいぶんと老舗なのだろう。
うらわ美術館で、「北斎漫画展」を見たあとだ。
ここを本日のランチ第一候補とした。
１度閉業している？
ただ、値段もなにも書いていない。
財布の中が2,000円しかなかったので、高級店だと足がでてしまうかもしれない。
客単価を調べるため、一応ググって見た。
グーグルの情報だと、「閉業」の文字が出てくる。
あれ？
しかし、目の前には暖簾を下げた「ブー太」の店舗。
お客もちゃんと入っているようだ。
情報が錯綜している。
メニューの写真があった。
ロースとんかつ定食1,500円とある。
これなら消費税が乗っかっても十分出せる額。
店の前でiPhoneとにらめっこしている内に、男性客が颯爽と自転車で乗りつけ、ちょっと中の様子を覗いて、そのまま店の中に吸い込まれていった。
案ずるより生むが安し。
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。
えい、ままよと、俺も釣られてそのまま入店。
メニューは壁に白紙が一枚。ロースとヒレのとんかつ定食２種類のみ
中に入るとL字のカウンター。
随分使い込まれた白木のようだ。
カウンター周りにはメニューはない。
店内を見回すと、奥の柱に白紙に手で書いたメニューがある。
とんかつ
ロース定食1,600円
ヒレ定食1,750円
webには、ラミネート加工されたメニューの写真が上がっていた。
メニューの種類ももっといっぱいあった。
とりあえず、ロース定食を注文する。
しばらくすると、お店の人が暖簾を仕舞いだした。
時間を見ると、13時30分。
どうやら、ランチタイムぎりぎりだったらしい。
とんかつが揚げあがるまでの間、考えてみた
ややあって、お茶と小さなすり鉢に入った胡麻が運ばれてきた。
すり鉢には擂り粉木も添えられている。
長年、黒胡麻を擂り続けたであろう小さな擂り粉木は、先が黒ずんでいる。
この黒胡麻を擂りながら、ことの顛末を考えてみた。
食べログの記述を見れば、昔はもっと繁盛していたようだ。
食事は１階のカウンターのみ。２階は待合で、順番待ちのお客さんはそこで待ったらしい。
人気店ではあったが、一度店をやめたのだろう。
それは年齢的なことかもしれないし、体力的なことかもしれない。
なにか病を得たのかもしれない。
とにかく店を閉めたのだ。
しかし、惜しむ声がたくさんあった。
ご主人も、続けたいと思った。
そこで、店を再開した。
メニューを絞り、営業時間も絞った。
かつてはやっていた串かつなんかも止め、ロースカツとヒレカツの二種類のみ。
新しい食べログ情報だと、営業は土日の昼間だけらしい。
それも不定休。
このタイミングで、自分が出会えたのは奇跡に近い。
いや。明確に奇跡だ。運命だ。
とんかつを揚げるご主人の背中を見て、そう思った。
分厚いロースとんかつ！
考え事をしているうちに、とんかつが揚げあがった。
よい色に揚がったとんかつ。
山盛りのキャベツも愛おしいが……
ん？なんか変だぞ？
なんだ！このブ厚さわ！
注文して出てくるまで気がつかなかったが、「ブー太」は厚切りとんかつの店だったのだ！
なるほどこれなら人気店になるわ。
先ほど擂った胡麻にソースを壷から入れてよくまぜる。
その胡麻ソースに、とんかつを付けて食べる。
分厚いぶん、濃い目のソースがよく合う。
これはうまい。
こんな分厚いのに、中までしっかり火が通っている。
すばらしい揚げ加減だ。
ロースの脂身も甘く、結構なボリュームなのに、パクパク食べ進められてします。
おつゆは豚汁
「しまった。豚に豚がかぶってしまった……」
と、井の頭五郎ごっこもできる。
赤出汁かと思ったら、おつゆは豚汁。
豚肉の違う可能性。
これもこってりで旨い。
とんかつが思いの外さっぱりだから、豚汁でもぜんぜんしつこくない。
老舗然とした少し敷居高めのお店かと思ったら、ぜんぜんそんなことはなく。
ほどよい接客のいいお店でした。
食べ終えてすぐにお勘定。
長居する店ではないし、ラストオーダーも終わっているからね。
お勘定は1,600円きっかり。
2,000円出して、400円のお釣をもらって店を出る。
満ち足りた気分。満足感。
満腹、だけではない。満足。
こういう気持ちにさせてくれるお店は、なかなか無い。
お店情報
店名：ごますりとんかつブー太
営業時間：～13：30ラストオーダー
営業日：土日ランチのみ営業（食べログ情報）
住所：埼玉県さいたま市浦和区仲町2-6-3
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価格:1,598円 |
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価格:1,242円 |
