【落語】これがライブの魅力か!「春風亭一之輔」師匠の落語をYouTubeライブで聞こう!

2020年11月21日

春風亭一之輔師匠が10夜連続でライブ配信

YouTubeをぽちぽち見ていたら、驚きの動画が上がっていた。
春風亭一之輔師匠が、10夜連続でYouTubeライブ生配信。
なんでも今月(2020年4月)下番、鈴本演芸場で夜の部のトリを勤めるはずだったが、コロナ騒動で中止。
ならばやる予定だった同じ日時に、YouTubeライブで講座を生配信してしまおうという趣向。
すでに一夜二夜と終わり、初見は三夜目。
どういう感じかなと、20時過ぎにYouTubeを見る。

一之輔師匠との出会いは「酒とつまみと男と女」

念のため言っておくが、面識はない。
落語家さんとして一方的に知っているだけだ。
2014年4月1日から2015年3月24日まで。
BSテレ東で一年間放送した「酒とつまみと男と女」という飲み歩き番組があった。
この中に、主に「聞き上手」というポジションでレギュラー出演していたのが、一之輔師匠。
坊主頭にいかつい感じの体格で「藤枝梅安」みたいだな、と思ったのが第一印象。
そのころはそれほど落語も聞いておらず。
「ふーん、そのうち聞いてみるか」と素人の上から目線で思っただけで、聞きもしなかった。
ただ、「落語家」で「酒が好き」という印象だけは残った。
それから5年。
ポチポチと名前も聞くようになり。
割と、チケットの取れない落語家に数えられるようになっている。
(いや、ごめん。そのころからチケットの取れない落語家だったかもしれないけど、そこへんはわからない)

近年になって、YouTubeの性能もあがり、法関係もクリアになり(まだグレーな部分、ブラックな部分はあるかもしれないけど)。
YouTubeで落語を聞く機会も増えた。
一之輔師匠の映像や音声も、YouTubeに上がっている。

録音とライブは別物

録音録画で落語を聞く機会はあったが、寄席で聞いたのは数えるほど。
「聞こうと思えば、YouTubeで聞けるしな」
という感覚だった。
今回、YouTube越しとはいえ、決められた時間にライブで落語を聞くという体験をした。
驚いた。
こりゃ、録音録画で聞くのとライブで聞くのでは、大ちがいだ。
録音録画は過去の出来事。
名演は名演であろう。
面白いものは面白いし、笑えるときには笑える。
でも、あくまで自分とは関係のない、過去の出来事としてとらえてしまっている。
ライブはリアルタイム。
今このとき都内某所で、一之輔師匠がしゃべっている。
共犯関係。
この面白さを一言で表すならばこれだ。
まったく違う場所にいるにも関わらず、この空気を一緒につくっている気がするのだ。

ライブは共犯関係

今までの自分のライブ体験には、これが足りなかったのだと思う。
どこか傍観者というか、当事者意識が希薄だった。
だからときに舞台を見に行っても、いまいち入り込めず「ふーん」くらいで帰ってきてしまう。
以前寄席で落語を聞いたときも、傍観者という意識でいたから「ふーん」でさほどのめり込めず離れてしまったのだろう。
逆に、演者側で客からこの共犯意識を引き出せれば、ライブの園芸はより面白くなる。
特に「笑わせる」園芸はそのあたり顕著であろう。
客側の心の準備も大事だが、演者の、そのあたりの腕にもかかってくるような気がする。

一之輔師匠は、その辺が抜群にうまい。気がする。
あと現代落語家だと、喬太郎師匠か。
客の共犯意識を引き出す。
「一緒になんか悪いことをしているような感覚」。

「一緒になんか悪いことをしているような感覚」

ライブの醍醐味はこれだ。
「共犯意識の共有」。
観客側は、この意識が高ければ高いほど満足度は上がるし、演者はこれを引き出すのが上手ければ上手いほど、客を喜ばせるのは容易になる。
上手な演者のからすれば、テクニックである程度「共犯意識」を引き出す事ができるのであろう。
もちろん、目の前に観客がいれば、より容易に「共犯意識」を引き出すことができる。
さりとて目に前に観客がいなくても、話し方やしぐさ、タイミングで、モニター越しにでも観客の共犯意識を引き出してやることはできるのだ。
観客の側だって、自分からこの意識を引き出して見れれば、ライブは層倍面白くなる。

20時10分から同時に見るから、この「共犯感覚」がより高まる

あとから配信で見ることもできるけど、せっかくだから20時10分からライブで見てほしい。
同じ時間に見ているというだけで、自分の中の共犯意識が高まるから。
それからマクラで、一之輔師匠がうまいこと、共犯意識を引き上げてくれる。
あとは、40分程度楽しむだけ。
感覚的には、マクラ20分。噺20分。
噺は今のところ古典だけど、大胆なアレンジや独特のくすぐりが入るので、マクラからの流れで笑って聞ける。
この感覚が、寄席で噺を聞くってことなんだねぇ。

十日連続生配信は2020年4月21日から30日まで!夜8時10分は、YouTubeの前に集合だ!

色々能書きを垂れましたが、思いは一つ!
みんな、一之輔さんの生配信を聞いて「生落語すげー!」となってくれ。
できればコロナ騒動のあと、寄席に行ってくれ!
リンクは張っとく!

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古典芸能

Posted by ちえ