【歌舞伎】早!もう7月の演目が出た!「歌舞伎座・七月大歌舞伎」ちえの見どころ(2023年7月歌舞伎座)

え!もう7月の演目が出てる!

ちょっとびっくりしなかった?
4月の中旬に歌舞伎美人を見たら、もう7月の演目が出てた。
通常2カ月前の公演の初日に発表なのに。
2023年の7月に限っては、2.5カ月前の4月14日に発表。
えー。
そんなに、お客さんに先々まで予定立てて来てもらいたい、公演なのかな。

昼の部は猿之助!「通し狂言 菊宴月白浪」

7月は何を上演するんだろう?

昼の部は、通し狂言で「菊宴月白浪」。
知らない演目だ。
三代猿之助四十八撰の内とある。
忠臣蔵後日譚だって。
わー、猿之助の宙乗りもあるんだ。

出演は。
猿之助が斧定九郎。
えー!定九郎が主役なの?
定九郎って、仮名手本忠臣蔵の五段目に出て来て、
「五十両~」ってやる人だよね。
斧定九郎を主役にした、ダークヒーローなのかな。
あ、でも。
作が一応、四世鶴屋南北だ。
じゃあ、古典なのか。
それにしちゃ、全く見たことないなぁ。

おー。
1984年に、三代猿之助が復活させたのか。
10月に歌舞伎座で上演して。
翌1985年9月に南座。
その後は、1991年10月に歌舞伎座で再演して、それきりなのね。
見たことないのも仕方がない。

犬丸治さんの劇評があった。
歌舞伎座1991年10月上演の時の劇評。

この劇評によると。
菊宴月白浪は忠臣蔵の書き換え狂言で。
山賊に身を落とし不忠の極みと思われていた斧定九郎。
実は大忠臣だった、という筋立てらしい。

話は忠臣蔵の後日談だけど。
あちこちに忠臣蔵を彷彿とさせる場面が仕込んであり。
最後は宙乗りまでみせるとか。

鶴屋南北の復活を、エンターテインメントに徹してみせた三代猿之助。
猿之助の名跡も四代目になって、実に32年ぶりの上演。

あまり難しく考えずに。
エンタメとして楽しめそう。

あと。
ちえが時々参考にさせていただいている。
サイト「歌舞伎素人講釈」の吉之助さんも。
南北を同時代化の発想で読む(1)として。
「菊宴月白浪」のこと、書いてるね。
これも、見物の参考になるかも。

夜の部は團十郎!「神霊矢口渡」「神明恵和合取組」「鎌倉八幡宮静の法楽舞」

対して夜の部は、

一、神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)
二、神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)
三、新歌舞伎十八番の内 鎌倉八幡宮静の法楽舞(かまくらはちまんぐうしずかのほうらくまい)

と、三本立てでバラエティ豊か。

一、神霊矢口渡は福内鬼外の作で。
今の、大田区矢口三丁目にあった「矢口の渡し」が舞台のお芝居。
ずーっと前に見たけれど。
明和7年の初演です。
おおらかで古風な演出がいいですよー。
作者の福内鬼外は、平賀源内の筆名なのは有名な話。

二、神明恵和合取組は別名「め組の喧嘩」。
文化2年に芝神明社で起きた鳶と相撲取りの大げんか。
通称「め組の喧嘩」事件に取材しています。
初演は明治22年。
ちえの見どころは三幕目。
辰五郎が、兄貴分喜三郎と女房子供にそれとなく別れを告げるところ。
重ねた辛抱を勢いよく開放するところに、歌舞伎的心情を感じます。

三、鎌倉八幡宮静の法楽舞は、明治20年ごろに九代目團十郎が完成させた新歌舞伎十八番の一つ。
ちえは見たことないのですが、外題から昨年「鎌倉殿の13人」にも出てきた静御前が主人公。
義経亡き後、捕らえられた静御前が頼朝の面前で踊らされた話があるので。
時系列としてはその辺りですかね。
團十郎が、静御前と他6人を踊り分けるようです。
あとは娘のぼたんと、新之助も出演。
チラシの名前の順番、ぼたんの方が先なっているのはお姉ちゃんだからかな。

しっかりエンタメを堪能したいなら昼の部、色々古典歌舞伎を楽しみたいなら夜の部、かな?

さて、どちらを見物しよう?

昼の部は澤瀉屋、夜の部は成田屋となった七月大歌舞伎。
どちらも固定ファンが根強い役者ですからね。
どっちを見ようか迷ったら。
猿之助ファンは昼の部、團十郎ファンは夜の部ってことでもいいと思います。

演目的にいえば。

エンターテインメントとして何も考えずに楽しみたいなら昼の部。
古典的な演目と團十郎、ぼたん、新之助を堪能したいというなら夜の部。

といったところでしょうか。

ちえが見物にいくのは。
とりあえず、昼の部かな。

久しく宙乗りを見てないし。
歌舞伎座はコロナ中、ずーっと三部制だったので。
通し狂言自体が久しぶり。
「菊宴月白浪」の上演が32年ぶりっていうのもね。
見ておかなきゃという気にさせてくれる。

久しぶりに、あれこれ難しい事を考えずに歌舞伎を見に行きたくなった。

2023年7月の歌舞伎座は、とりあえず昼の部を取りまーす☆

公演情報:歌舞伎座新開場十周年 七月大歌舞伎

上演名歌舞伎座新開場十周年 七月大歌舞伎
劇場歌舞伎座
上演日時2023年7月3日(月)~28日(金)
昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時~
【休演】10日(月)、19日(水)
演目昼の部
通し狂言 菊宴月白浪(きくのえんつきのしらなみ)

夜の部
一、神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)
二、神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)
三、新歌舞伎十八番の内 鎌倉八幡宮静の法楽舞(かまくらはちまんぐうしずかのほうらくまい)

チケットの購入はチケットWEB松竹で!

一般販売は6月14日からです☆

歌舞伎

Posted by ちえ