【日本酒】蔵元が利いた味と同じ酒器で日本酒が味わえる「本利き猪口」のススメ!日本酒は本利き猪口でもっとよく分かる!

2021年12月31日日本酒,酒器

「長野の酒メッセ」にて「本格利き猪口」購入!

本格利き猪口を手に入れました。
「長野の酒メッセ2018in東京の」の酒器コーナーにて。
売価1,800円。
入り口入ってすぐのところが酒器コーナーで、まず目に飛び込んできたのが「1合の利き猪口」。
かねてから欲しいと思っていたところに、お値段1,800円と想像したより高くない!
即決です。
持ち歩いていると割っちゃいそうなので、購入は帰りがけにしましたが、ホクホクです。
よい買い物ができたと、その日は満足でした。

ところが、あとから不安になったんですよね。
というのも、「利き猪口」には「プロ仕様」のものと「簡易版」のものがあると聞いていたので。
何も考えずに買っちゃったけど、簡易版だったらどうしようと。

そこで、帰ってからちょっと調べてみました。

利き猪口には「本格」と「呑み」がある

「利き猪口」とは、底に青で蛇の目(二重丸)が書いてある白磁の器です。
日本酒好きでなくても、どこかで目にしたことがあると思います。

この「利き猪口」にも、「本利き猪口」と「呑み利き猪口」があります。

「本格利き猪口」は、酒造りの現場等で、酒の品質を見るための道具。
1合(180ml)超入る大きさのみで、底の蛇の目が釉薬の上から書いてあります。
ふちも薄くつくってあり、よりお酒の味が分かるようになっています。
薄く作ってあるので破損しやすく、底の二重丸も使っているうちに薄くなったり剥げたりしていきます。
そういう意味では、プロの現場で使われている繊細な道具なのです。

「呑み利き猪口」は「本格」を模して作った簡易版です。
底の二重丸を書いてから釉薬をかけて焼き上げており、薄くなることはありません。
ふちも厚く作られており、扱いやすいです。
普段使いには最適。
サイズも様々あり、通常飲み屋さんなんかで見られるのは「呑み利き猪口」の方です。

自分が買ったのは「本利き猪口」?「呑み利き猪口」?

とりあえず、自分が買った「利き猪口」を見てみました。

利き猪口 箱入り

箱入りです。「幸泉窯」と書いてあります。

利き猪口

大きさは一合超入るサイズ。
縁のところまで入れると、一合以上入ります。
「本格」は一合超サイズしかないはずですから、これは合格。

利き猪口 縁

厚みも薄く作ってあるように見えます。
これは、「呑み利き猪口」が無いので比べようがないですが。

利き猪口 二重丸

底の蛇の目の部分です。
釉薬をかけて焼き上げた上から、手書きが書いているのが「本格」。
筆のあととか残ってますから、「本格」といえば「本格」に見えます。
手で触ると盛り上がっているのはわかります。

参考までに、小さいサイズの「呑み利き猪口」の蛇の目。
これは、さらに小さいサイズの「利き猪口」を模して作った小さいやつです。
サイズが違うので一概に比べられないと思うのですが。

利き猪口 幸泉

台座の裏には「幸泉」の文字。

値段は1,800円。
ネット通販で「本格利き猪口」といって商品を出しているところの値段を見ると、大体2,000円前後。

これらの情報を合わせると、恐らく「本格」だろうと思ったのですが。

「幸泉窯」は「全国新酒鑑評会」で使われる「利き猪口」の製造メーカー

それでも不安なので、メーカーのサイトも覗いてみました。

「幸泉窯」で検索をかけると、「カネ幸陶器株式会社-幸泉-」という会社が出てきます。
こちらは、岐阜県にある美濃焼きの焼き物メーカー。
「新酒鑑評会」の利き猪口は、こちらのものが使われているそうです。
それなら信用できるかと思いながらサイトを見ていたら。

あれ? 薄口の「呑利き猪口」がある!
どうやら、新しく開発した商品みたいです。
うーん。値段も書いてないし、小売をしているショップも見当たらないし。
これはこまったぞ。
薄口の「呑み利き猪口」は、二重丸を下絵付けで書いて、飲み口を薄くした商品。
口当たりはよく、二重丸が薄くなっていく問題も解決。

が、これで薄く作ってあるから「本格利き猪口」と判定できなくなった。
こんなに悩むなら、勢いで買わずに売り場の人にちゃんと聞いておけばよかった。

それでもすこぶるいい感じ。味も香りも段違いにわかる

「本格」なのか「呑み」なのか。
ついには結論がでないけれども、蛇の目の青の冴えを見る限りでは、「本格」であると信じて使おうと思います。

そしてさっそく家にある酒を利いてみました。

おお!すごい!
今まであまり感じなかった「上立ち香」がはっきりと感じる。
よい香り、というのは分かっていた香りが、「新しい木材のような香り」とはっきり認識できる。
味も、一つ一つの要素がくっきりと浮き上がってくるように感じる。
やっぱり長いこと使われてきた道具って、日本酒の味を確認するのには、最適なんですね。

「本格利き猪口」で飲んだ味を基準とし、そこから色々な器を試してみる

プロが酒の品質を確認するときには「本格利き猪口」を使うということは、これで呑んだときの味が、その酒の「基準」になっているということです。

基準があるから応用がきくのです。
「本格利き猪口」で呑んだ味を基準とし、器を変えてみる。

「今日はすっきり呑みたいから、あの器を」
「今日は香りを楽しみたいから、あの器を」

器による味の変化。
それを楽しむための基準が「本格利き猪口」で作れると思います。

日本酒好きなら、ぜひ一つ持っていると、日本酒の楽しみのバリエーションが広がりますよ~

*「利き酒」の「利」の字は、本来「口」偏に「利」の字を当てますが、本文中では「利」の字で代用させて頂きました。


購入商品
商品名:本格きき猪口
メーカー:幸泉
購入価格:1,800円
購入場所:長野の酒メッセ2018 in 東京

「一合 本きき猪口極薄(幸泉)<無地>」

価格:1,728円
(2018/5/12 15:03時点)
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関連リンク

美濃焼の日本酒器 卸会社 カネ幸陶器株式会社-幸泉-

全国新酒鑑評会でも採用されている「本格利き猪口」の製造卸メーカー。
サイトの商品には値段がなく、小売をしてくれるのかどうかは分かりません。
「連絡したら小売してくれた」という人もいるようですが。

独立行政法人 酒類総合研究所

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Posted by ちえ