【歌舞伎】仁左衛門の芝居は見れる時に見ておいた方がいい「六月大歌舞伎」|ちえの見どころ(歌舞伎座2023年6月)

79歳の片岡仁左衛門丈

毎回、年齢を強調するのどうかなーとは思うのですが。

片岡仁左衛門丈は、今年79歳。
もう、この年になると。
1ヶ月の公演はおろか。
一日一日が、一世一代みたいなもん。

本人もそれが分かっているのか。
ちえも心配になるくらい。
今年は歌舞伎座で主役をやっています。

今月(2023年4月)は玉三郎と「与話情浮名横櫛」をやりました。

5月はさすがに、團菊祭でお休み。

次はいつ?と思ったら6月に「義経千本桜」のいがみの権太ですからね。

演じてもらい、見物できるのは嬉しいのですが。
ついお体を心配してしまうのも事実。

4月は体調不良で5日から7日まで休演しましたから。
休演のニュースを見たときには、ヒヤリとしましたよ。

本当なら、もう少し休んでもらいたいところですが。
6月の出演はもう決まったことですし。
ちえも、全力で見物するつもりでいます。

夜の部は「義経千本櫻」半通し

夜の部は、仁左衛門丈の「いがみの権太」と松緑丈の「狐忠信」で、義経千本桜。

「いがみの権太」の下りを一通りやったあとに。
「狐忠信」の川連法眼館が付きます。
ちょっと不思議な取り合わせで。
こういうのでも、半通しというんでしょうか。

メインはやはり、79歳のいがみの権太。

ひと世代前の歌舞伎役者なら。
79歳はもう出がらしみたいなもので。
時折見える、円熟した芸の片りんに。
御見物衆も一喜一憂したものですが。

仁左衛門丈を始めとして。
今の大幹部は実に瑞々しい。

瑞々しい容姿に。
円熟の芸が乗っかる訳ですから。
悪かろうはずがない。
もう、唯一無二の軌跡の瞬間ですよ。

仁左衛門丈の芸はなにはともあれ見ておかなければと思うので。
6月歌舞伎座の夜の部は、マストですね。

「いがみの権太」が終わった後は、松緑丈で「狐忠信」。

「川連法眼館」だけやるみたいですね。
恐らく、音羽屋型なので、派手な宙乗りとかは無し。
正直おまけみたいな感じなので。
それほど期待はしていないのですが。
こういうのが、後で劇評をみると褒められていたりして。
見逃すと、後悔するタイプの演目です。

昼の部の注目は、猿之助のおとくと「浮世又平住家の場」

対して昼の部は。

中車の浮世又平で、「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」です。
猿之助の女房おとくが、大変良かったと。
何かで読んだので、見てはみたいんですが。
それだけで見にいくにはちょっと弱いかな。

あと珍しく。
「浮世又平住家の場」が付きますね。

「土佐将監閑居の場」の後。
又平の家に押し寄せる追っ手を、抜け出した又平の絵が撃退する場があるらしいので。
その場が「浮世又平住家の場」なのではないでしょうか。

滅多に出ない場面なので。
この機会に見ておきたい気持ちはあります。

昼の部は他に、「児雷也」と「夕顔棚」。

児雷也は忍者もの、かな?
上演記録を調べると、2013年に南座で梅玉さんがやったっきり。
子供向けならいざ知らず。
今時忍者でもないでしょう。
児雷也の知名度もイマイチ。
梅玉さんの気品ある芸なら見てみたいと思いますが。
今回は芝翫ですからね。
果たしてどんな感じになるのか。

「夕顔棚」は見た記憶があります。
2021年6月歌舞伎座が、直近の上演ですから。
多分これを見てますね。

夏の夕暮れ、おじいさんとおばあさんが。
浴衣姿で盆踊りに行く若い男女を見て、昔を懐かしむという演目です。

見どころといえば。
菊五郎の婆と、左團次の爺の洒脱とした掛け合いでしょうか。
歌舞伎では珍しく。
おっぱいが出てきます。
志村けんがコントで演ずる、しわしわのおっぱいですが。

左團次丈、逝く

この記事を書いている最中に。
左團次丈が亡くなりました。
行年82。
4月は初日から休演していましたが。
6月は「夕顔棚」に爺で出演予定だったので。
お元気になってくれるものと信じていました。
バラエティ番組にも出演し。
SMの帝王を自称するなど。
ユニークな人柄でも知られていました。

夏祭浪花鑑の釣船三婦など。
不良性と好々爺のバランスが。
実によかったなぁ。

ご冥福をお祈り申し上げます。

公演情報:「歌舞伎座・六月大歌舞伎」

上演名六月大歌舞伎
劇場東京・歌舞伎座
上演日時2023年6月3日(土)~25日(日)
昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時~
【休演】12日(月)、19日(月)
演目昼の部
一、傾城反魂香
土佐将監閑居の場
浮世又平住家の場
二、児雷也(じらいや)
三、夕顔棚(ゆうがおだな)

夜の部
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
木の実
小金吾討死
すし屋
川連法眼館

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Posted by ちえ