【練馬】「金ちゃん」老舗のもつ焼き屋はやっぱりなんか違う【閉業】

2024年5月22日

ストレスためため仕事終了。
月曜日は本当に出勤がつらすぎる。
そんなときに、優しくいやしてくれるのが「酒場」。
今宵も、癒しを求めて町のさ迷う。

普段は優しく癒して欲しいタイプだけど、ときには厳しく突き放して欲しいときもある。
その機微を、パートナーに解れというのも酷なもの。
優しくされたい、厳しくされたい。
そんなときは、自分で優しくされに、厳しくされに行きましょう。

練馬駅南側にある「金ちゃん」は、どっちかというと厳しい方の店です。
「いらっしゃいませ~お好きな席どうぞ~」なんて、優しい言葉は掛けてもらえません。
そういう優しい接客がお好きなら、老舗を模した大衆酒場に行けばいいのです。

老舗。
そう。「金ちゃん」は本物のの大衆酒場の老舗です。
創業は……何年でしょう?
そういうのも表では誇らない。
店構えと、おじいちゃんが焼くやきとんに、全ての歴史が封じ込められています。

この店が、乗換駅の練馬に残っている幸せ。

店に入る。
一人ですと告げる。
カウンターを示される。
ここまで、笑顔はない。
それがいい。
一人の客として、ふらりと入ってふらりと出て行くだけだ。

最初の一杯目は瓶ビール。
大瓶。赤星。480円。
飲みながら、壁のメニューに目を走らす。
もつ焼きの店だが、もつ焼き80円とあるだけで、部位は書いてない。
これはハードルが高い。
ならば出てくるものが判るものを。

もつ煮。これなら何が出てくのかわかる。
さつま揚げ。これもまあまあ判る。

仕事で落ち込む時は、自分がコノ世の中で、なにかしら役に立っているはずなのに、報われないと思っているときだ。
だが、「金ちゃん」の接客は、そんな淡い期待を粉々に砕いてくれる。
ここでは、自分は単なる1お客さんで消費者で、大して価値のある存在ではないのだ。
せいぜい、1千円か2千円のお金を落としてくれる、単なる消費者なのだ。
そう、徹底的に打ちのめしてくれる。

だが、それがいい。
それを求めている時がある。
自分は大した存在じゃないと、思わせられる時が必要なのだ。

自分に勘違いしそうになったら「金ちゃん」に来よう。
そして、徹底的に打ちのめされよう。
ゼロになれば、あとは立ち上がるだけだ。

ビールともつ煮、さつま揚げでお勘定。
合計で1,110円。安い。

ゼロになりたい夜もある。
ゼロになるから、明日もがんばれるのだ。
がんばれば、明日はゼロからイチになるからね。

だからね。世の中のパートナー諸君。
パートナーが飲んで帰っても叱らないでやってほしい。
その一杯は、明日に必要な一杯かもしれないから。

もつ焼き 金ちゃん

住所:東京都練馬区豊玉北5-16-3

練馬・居酒屋

Posted by ちえ