【読書】吉川英治「醤油仏」を読む

吉川英治の「醤油仏」を読んだ

まず、このタイトル。
なんと読んだらいいのかがわからん。
「しょうゆぶつ」なのか「しょうゆほとけ」なのか。
振り仮名はない。
最後まで読んで「しょうゆほとけ」かなと判断したが、間違っているかもしれん。

短編である

1行38文字で52ページ程度。
奥付をみれば初出は昭和3年だが、それを感じさせない文体。
江戸の知識が満載だが、それを感じさせずサラリと盛り込まれている。
小判の包みを出すところで「梅忠じゃねえけど、贋金じゃねえから目をつぶすな」の台詞には、歌舞伎ファンならニヤリとさせられる。

物語の舞台は江戸時代

舞台は幕末。
この辺りの説明も、当時の世相を本文に盛り込みつつ、話の主題に繋がっていく。

主人公は誰だろうと思って読んでいると、結構視点が変わる。

読後感はミステリーに近い。
主人公は、登場人物より「謎」そのものなミステリー。

Posted by ちえ