近江源氏先陣館絵看板

【歌舞伎】「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」令和3年東京・歌舞伎座 九月大歌舞伎・予習・感想

2021年9月、コロナ禍の中ですが、東京・歌舞伎座に歌舞伎を見に行きました!
そこで今回は、行く前の予習と、舞台をみた感想を書きたいと思います。

結論から言えば歌舞伎は、できるだけ事前に予習をしていった方が楽しい!

そりゃ、まっさらな自分であるがままの舞台を受け止めるってのも楽しいけどさ。
やっぱり歌舞伎ができた当時といまの人々では、感覚が全然違うんよ。
そのギャップを楽しめとも言うけれど、先人が解説したり解釈したり考えたりしたことは、素直に受け取っておいた方がいいと思うんだよね。
だから予習は、現代の自分をできるだけ江戸時代の人に近付ける作業だと思っています。

なにはともあれ、歌舞伎見たいな、これから今月の2部を見に行くんだよ、という人に贈りたいと思います。
もちろん、これ見たら歌舞伎を見に行きたくなった!という人がいれば、もっとうれしいです☆

予習

歌舞伎美人

松竹の歌舞伎情報サイト歌舞伎美人
歌舞伎を見よう!という時は、とりあえずここを抑えておけば過不足はない。
上演中の歌舞伎の演目、みどころ、上演期間等々、一通りの情報が揃っている。

解説

こちらは、日本俳優協会で運営する、歌舞伎on the web
79演目が写真付きで解説されています。
ないしろ公式ですから、名優の写真が使い放題。
人物関係もまとまっていて、有名な古典を観るならここを見ておけば間違いないでしょう。

インタビュー

演目によっては、出演役者がインタビューに答えています。
役にかける思い。諸先輩から受け継いだこと。役柄の工夫。
役者の話を聞くとね、またその演目が見たくなったりするんだよね。

映像

歌舞伎座1986年1月夜の部

YouTubeに過去の上演映像も上がってました。
1986年1月夜の部、十七代目勘三郎が佐々木盛綱を演じたやつですね。
息子勘九郎(十八代目勘三郎)も、コミカルな注進伊吹藤太役で出ています。
この時の踊りの身体能力がすごい。
ちなみに現在の六代目勘九郎も、本名初お目見えで出ています。
役は盛綱一子小三郎。

床本

「近江源氏先陣館」のような義太夫狂言は、人形浄瑠璃が元になっています。
その人形浄瑠璃の台本に当るのが、床本。
歌舞伎用に一部変えたり削ったりしている部分はあるけれど、ほとんどが同じです。
「歌舞伎はセリフが聞き取れなくって」という人は事前に台本を読んでおくことがオススメ。
プリントアウトして、読みながら舞台を見てもいいと思います。
一時期、タブレット形式で歌舞伎座でも台本を貸していたけれど、今はやってるのかな?

感想

出演者の中にコロナ陽性者が増え、6日まで休演。
7日初日。
初日が明けてから、最初の週末に見に行った。

予習として床本をさらって、1986年の十七代目勘三郎の佐々木盛綱を見ておく。
毎度だと、途中途中で寝てしまう「盛綱陣屋」だが、今回は最初から最初までちゃんと見れた。
(途中、怪しいところはあったが)

理由として、舞台全体に漂う緊張感があげられる。
何に由来するのはかは分からないが、舞台の役者の緊張感は観客にも伝わり、退屈させない飽きさせないというのは確かにある気がする。

幸四郎の佐々木盛綱、丑之助の高綱一子小四郎がよかった。
それ以外の役者も、それぞれの役の中で悩み考え行動していると感じた。

幸四郎はまだまだ若く、手の内に入った手堅い役、といった感じじゃないのが、良かったのかもしれない。

コロナ禍での公演という緊張感も、当然あるだろう。

大歌舞伎らしいスケールの大きさ、はまだ感じないが、現代人にはこのくらいのキリリと引き締まった舞台の方が合うのかもしれない。

公演データ

公演タイトル九月大歌舞伎 第2部・1
演目近江源氏先陣館 盛綱陣屋
劇場東京・歌舞伎座
公演期間令和3年9月2日(木)~9月27日(月)
新型コロナウイルス感染者が出たため、第2部のみ6日(月)まで休演

歌舞伎

Posted by ちえ